【3月12日 AFP】米ニュージャージー州の高校に、まだ17歳ながら、米プロバスケットボール(NBA)が最も注目する若手と一部で評される選手がいる。ジョナサン・クミンガ(Jonathan Kuminga)という名のその選手は、コンゴ民主共和国から米国へやって来た若者だ。

 クミンガはニュージャージー州にあるパトリックスクール(The Patrick School)に通う高校生。数年後には億万長者になっている可能性もあるが、現時点では赤レンガ造りの質素な校舎で勉強と練習に励んでいる。

 クリスマスイブの取材日、学校でコーチを務めるクリス・チャバネス(Chris Chavannes)氏はチームに3時間の練習を課し、有望株と言われるクミンガはそれについていけない場面もあった。

 クミンガについてコーチは「彼の出身は、才能豊かな選手が多いわけではない、競争もさほど激しくない土地です」「だからしぶとさと体の強さの両方を身につけて、精神的にも肉体的にも、米国の高い要求に応えられるようにする必要があります」と指摘した上で、「ですが彼はバスケットボールが大好きという違いを持っている。バスケ中毒なんです。だから適応はそう難しくないでしょう」と続けた。

 適応の問題は、選手としての数少ない弱点かもしれない。クミンガは17歳にしてすでに身長203センチ、体重90キロという見事な体格を備えている。

 高校から直接NBA入りした数少ない選手の一人で、クミンガにとっては学校の先輩にあたるアル・ハリントン(Al Harrington)氏も「肉体的には、すでに大学やNBAで通用する」と太鼓判を押す。ハリントン氏自身も、1998年にNBA入りした時点で身長はクミンガと同じ203センチ、体重は100キロ近くあったが、「彼の方が体はできている。フィジカル的には当時の私より多分上だ」と話している。

 恵まれた体格に見合う技術も持ち合わせており、チャバネスコーチは「あれだけのサイズがありながら、ボールハンドリングは巧みで、ポストプレーができ、スピードもあってアスリート能力が高い。それだけの資質を兼ね備えた選手はめったにいませんが、あの子はそれを持っています」と話している。

 少なくとも四つのポジションでプレーできるクミンガは、ボールを持ち上がることも、中へ切り込むこともできる。外からのシュートも安定しているため、遅攻の場面ではじっくり待って正しいプレーを選択できる。