【2月7日 AFP】ロシア正教会は、核兵器などの大量破壊兵器に対する清めの儀式の中止を提案した。ただし、航空機や船舶を聖水で清める行為については、引き続き妥当とみなすという。

 同教会は3日、「祖国防衛」と「軍務遂行」に当たる信者を清める役割について規定する文書の草案を公表し、インターネット上での議論を呼び掛けた。

 ロシアではしばしば、神の加護を得るため、新車や新居、さらには宇宙船「ソユーズ(Soyuz)」に至るまで、あらゆる物に対し、司祭による清めの儀式が行われる。

 ソ連崩壊後、司祭らは軍隊や航空機、船舶に加え、カラシニコフ銃や、核弾頭の搭載が可能な弾道ミサイル「イスカンデル(Iskander)」など、さまざまな兵器に対してもこの儀式を行うようになった。

 しかし今回公開された文書では、「無差別兵器や大量破壊兵器など、使用すれば無数の人々の死を招く兵器は、司祭による清めの儀式の対象から除外する」ことを提案。一方で、「陸海空軍の兵士らによって使用される輸送手段を清める」ことについては、使用者の保護を神に願うという意味で「妥当」だとしている。

 ロシア軍は、セルゲイ・ショイグ(Sergei Shoigu)国防相の下、ロシア正教会とかつてなく密接な関係を築いている。(c)AFP