【2月4日 AFP】新型コロナウイルスが流行する中国・湖北(Hubei)省で、脳性まひの少年が、父親が隔離されたために一人で自宅に取り残され、死亡した。

 ヤン・チェン(Yan Cheng)さんは、話す、歩く、食べることが自力では行えず、車いす生活を強いられていた。母親とは数年前に死別しており、父親のヤン・シャオウェン(Yan Xiaowen)さんが発熱で隔離されると、食事をはじめ日常生活を手助けしてくれる人がいなくなった。

 先月22日に隔離され、5日後に新型コロナウイルスに感染していると診断された父親は、チェンさんの世話をしに行ってほしいとソーシャルメディア上で必死の訴えを行ったが、間に合わなかった。

 地元紅安(Hongan)県は、チェンさんが先月29日に亡くなったと発表。「ヤン・シャオウェンさんは、(隔離により)ヤン・チェンさんの世話ができなかった…そこで親戚、村の代表者や医師らに、チェンさんの世話を頼んでいた」と明かした。

 地元関係者らの話によると、チェンさんの死去により、地元の共産党書記と村長が辞任に追い込まれたという。

 ソーシャルメディア上には、湖北省当局が新型肺炎に関する情報を公表していなかったことに対する批判が出ていたが、チェンさんの死が報じられると、今度は怒りや悲しみの声があふれた。あるユーザーは「非常に怒りを感じるし悲しい。あまりにひどい」と嘆いた。(c)AFP