【2月2日 AFP】中国政府は1月31日、チャーター機2機を手配し、新型コロナウイルス流行の中心地となっている湖北(Hubei)省出身の国外滞在者を、事実上の封鎖状態にある同省武漢(Wuhan)に帰還させた。

 これに先立ち中国の航空当局は、タイの首都バンコクに滞在する湖北省出身者117人と、マレーシアの人気観光地コタキナバル(Kota Kinabalu)に滞在する同100人が「可能な限り速やかにチャーター機で武漢に戻る意思」を示したと発表していた。

 バンコクから飛び立ったアモイ航空(Xiamen Airlines)のチャーター機は31日夜、同省武漢に到着。マスクをした73人は、白い全身防護服を着た保健当局者が脇に立つ客室ドアを通ってチャーター機から降り、カメラを構えた報道陣に向かって笑顔で手を振った。その後間もなくして2機目がコタキナバルから武漢に到着した。

 中国外務省は同日、「湖北省、特に武漢出身の中国市民が国外で直面している実質的な困難」を理由に挙げ、国外に滞在している武漢市民を「可能な限り速やかに」帰国させると発表した。この時点で世界の航空会社30社超が、中国行きの便の運休または減便を発表していた。

 チャーター機での帰国は、中国のソーシャルメディア上で物議を醸した。あるユーザーは「この人たちはたぶん戻りたくないはずだ」と投稿。別のユーザーは、新型コロナウイルスに感染していない人を湖北省に戻していいのかと疑問を呈した。(c)AFP