【1月28日 AFP】全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2020)は27日、男子シングルス4回戦が行われ、大会第1シードのラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)は第23シードのニック・キリオス(Nick Kyrgios、オーストラリア)を6-3、3-6、7-6(8-6)、7-6(7-4)で下し、通算20度目の四大大会(グランドスラム)制覇に向けて8強入りを果たした。

 キリオスの猛攻を耐え抜き、ロッド・レーバー・アリーナ(Rod Laver Arena)での白熱した試合を制した世界ランキング1位のナダルは、第10シードのガエル・モンフィス(Gael Monfils、フランス)を6-2、6-4、6-4で下した第5シードのドミニク・ティエム(Dominic Thiem、オーストリア)と準々決勝で対戦する。

 ロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)に並ぶグランドスラム最多20勝目を目指す2009年大会覇者のナダルは、「テニスをプレーする意欲があって、自分がしていることに集中しているときの彼は、テニス界にとってとても重要な選手だと思う。素晴らしい才能の持ち主だから」とコメントした。

「彼のやり方やプレースタイルに反対しているわけでは決してない。以前に批判したのは、彼が不適切で、テニスの印象や子どもたちにとって良くないことをいくつかしたから」「しかし、彼が正しいことをしていれば、私は真っ先にサポートする」

 両者は昨年、ナダルが敬意を欠いているとしてキリオスを批判すると、キリオスもナダルは「めちゃくちゃぷりぷりしている」と反撃するなど、険悪なムードの言葉の応酬があり、この一戦は因縁の試合と呼ばれていた。しかし、キリオスは試合前から不穏な空気を抑える態度を見せ、試合でも互いに対するリスペクトがあった。

 この日は、ヘリコプターの墜落事故で死亡した米プロバスケットボール(NBA)の元スーパースター、コービー・ブライアント(Kobe Bryant)氏に哀悼の意を表し、ロサンゼルス・レイカーズ(Los Angeles Lakers)のユニホームを着てコートに入ったバスケットボール好きのキリオスは試合後、「負けて本当に悔しい」と話した一方で、「王者、そして選手」としてのナダルを称賛し、新たに見つけた前向きな姿勢を保っていくよう必死に努力しているところだと続けた。

「自分の問題は、何度も同じ態度を見せてしまうこと」「これを続けていければと思う。一日一日取り組み、前向きな姿勢でポジティブな空気をつくっていきたい」 (c)AFP/Martin PARRY