【1月27日 CNS】中国・湖北省(Hubei)武漢市(Wuhan)の周先旺(Zhou Xianwang)市長は26日夜、新型コロナウイルスによる肺炎の感染状況に関する記者会見を行った。武漢市の医療機関で2209人の患者が疑似感染者として治療を受けているほか、643人が発熱外来で経過観察中で、この中からさらに1000人が確定感染となる可能性があると述べた。

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 周市長によると、26日未明の時点で、武漢市で報告された確定感染者は618人、すでに治癒して退院した患者は40人、死者は45人という。治療中の533人、重体の140人は指定病院で隔離治療中としている。

「感染拡大のペースは非常に速く、多くの市民は、感染の実態の数と公表された数が合わないと感じている。診断を確定させるまでに一定の時間が必要で、治療中あるいは経過観察中の患者の中に、約45%の患者は確定診断される可能性がある。このほか、治療が終わった後も、患者は病院で12日間の経過観察が必要で、厳格な検査を受けなければならない。実際、治療が完了して経過観察を受けている患者が約80人いる」と周市長は説明する。

 周市長によると、患者が速やかに治療を受けられるよう、市は病院の建設と専用病院への転換に力を入れている。武漢市にある伝染病病院は「武漢金銀潭医院」と「武漢肺科医院」のみで、ベッド数は合わせて350床しかないため、市は24の病院から計1万床を肺炎患者専用にした。このほか「武漢火神山病院」と「雷神山病院」の建設を緊急に進めており、2300床のベッドが増える予定だ。

 深刻な医療物資の不足については、国による統一調整と寄贈により、市の医療機関で使用する防護服やN95マスク、防護ゴーグルなどはすでに供給を受けており、最も必要とされた防護服も全面的にいきわたったとしている。

 また、人民解放軍の医療隊3チーム、各省医療隊9チームなど合わせて約900人が相次いで武漢に到着。医療の第一線の人不足が大幅に緩和され、開始以来、休みなしで患者の救護に当たってきた医療関係者が休息を取ることもできているという。(c)CNS/JCM/AFPBB News