【1月14日 AFP】国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)のケネス・ロス(Kenneth Roth)代表が中国当局に香港入りを拒否された問題について、中国外務省の耿爽(Geng Shuang)報道官は13日の定例会見でこの措置を正当化し、非政府組織には香港の政治的混乱の責任があり、「相応の代償を払うべきだ」と主張した。

 米ニューヨークを本拠地とするHRWの代表を長年務めるロス氏は今週、香港で記者会見を行い、HRWの最新の国際調査報告書を公表する予定だった。同報告書では国際的な人権団体に対する中国の「集中的攻撃」を批判している。しかしロス氏は12日、到着した香港の空港で当局に追い返されたことを明かした。

 中国は、米議会が香港の民主派運動を支援する「香港人権・民主主義法案」を可決したことへの報復措置として昨年12月、HRWを含む米国の非政府組織(NGO)に制裁を科すと発表した。

 耿報道官は「誰かの入国を許可するかしないかは、中国の主権だ」とし、「該当するNGOがさまざまな手段を用いて反中過激派を支援し、過激で暴力的・犯罪的な活動の実行を奨励し、香港の分離独立派を扇動していることは、たくさんの事実と証拠によって示されている」と述べた。

 さらに「彼ら(国際人道団体)には、香港で起こっている混乱について大きな責任がある。そうした組織は罰せられるべきであり、相応の代償を払うべきだ」と語った。

 これに対し、ロス氏はツイッター(Twitter)への投稿で反論。民主的自由の拡大を求め、7か月近くにわたって続いている香港民主派の抗議デモを「HRWが扇動しているというばかげた作り話を、なぜ中国政府は持ち出すのか?」「それは、ますます強まる独裁的支配に対する多くの中国市民の抵抗など存在しない、ということにしようと中国政府が躍起になっているからだ」と非難した。(c)AFP/Jing Xuan TENG