【1月10日 CNS】中国で先日、同僚間で給料を公開にすべきか、ネット上で話題となった。あるメディアが「あなたは同僚に給料を聞きますか」とネットユーザーの投票を募った結果、「聞く」に投票した人が多数を占めた。

 同僚の給料がいくらかなのかは、茶飲み話で聞けるような軽い話題ではない。記者の取材によると、多くの会社で「従業員同士での給与や賞与の情報を聞き合うことを禁止する」と明文条項を雇用契約に入れており、会社によっては、従業員との間で「収入秘密保持契約」を結び、違反した者は解雇することとなっている。

 メディアの報道によると、貿易会社で販売の仕事をしていた女性はある時、彼女と同じ仕事をしていて業績もほぼ等しい8人の同僚が、給与金額も出来高払いの業績手当も自分より高いことを偶然発見してしまった。

 女性は「不公平ではないか」とマネジャーに給与の上乗せを申し入れた。その際、どこから自分の給料が人より低いと知ったのかを聞かれ、彼女は事実通りに答えた。数日後、会社は重大な規則違反を理由としてその女性を解雇。彼女はこれを不服とし、裁判所に訴え出た。

 裁判所の考えは、労働法には労働者の収入を公開にすべきとの明文規定はないが、会社の規定の中の「従業員個人の収入状況を秘密にする」やり方は、「労働契約法」の中の「同工同酬(同じ仕事には同じ報酬)」の規定に違反しているというものだった。裁判所は、会社の行為は違法解雇だったとして、会社に対して女性に賠償金を支払うように命じた。

 北京市中銀弁護士事務所の楊保全(Yang Baoquan)弁護士は「会社が給与を秘密にすることは、主として従業員のプライバシー保護と無用な比べ合いや競争を防止することで、従業員の流失を減少するためであって、企業管理と従業員間の和気あいあいとした雰囲気作りに有効」という。

「現在の中国法では、給与を秘密にしなければならないという明文規定はない。同時に、雇用者側が給与を秘密にしてはならないという制限もない。法律に明文規定がない状況では、給与の秘密保持条項は、それを作る過程で、双方が納得して合意することが肝心であり、作る過程が合法的であれば、それは合法で有効なものとなり、法律の尊重と保護を受けなければならない」との考えを示した。(c)CNS-工人日報/JCM/AFPBB News