【1月13日 AFP】男子テニスの国別対抗戦ATPカップ(ATP Cup 2020)は12日、オーストラリア・シドニーで決勝が行われ、セルビアはノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic)がシングルスで宿敵ラファエル・ナダル(Rafael Nadal)を下すなど2勝1敗で勝利し、初代王者に輝いた。

 ドゥサン・ラヨビッチ(Dusan Lajovic)が世界ランキング10位のロベルト・バウティスタ・アグト(Roberto Bautista Agut)に5-7、1-6で敗れて迎えた第2試合でジョコビッチは、同1位のナダルを6-2、7-6(7-4)で退けて戦績を1勝1敗のタイに戻した。

 セルビアは続く最終第3試合のダブルスでジョコビッチがケン・ローズウォール・アリーナ(Ken Rosewall Arena)のコートに立ったが、一方のスペインは疲労によりナダルが欠場を選択。パブロ・カレーニョ・ブスタ(Pablo Carreno Busta)とペアを組んだのはフェリシアーノ・ロペス(Feliciano Lopez)だった。

 ジョコビッチ/ヴィクトル・トロイキ(Viktor Troicki)組は、第1セット第1ゲームで先にブレークされるも立て直して6-3、6-4で勝利。セルビアはシーズン開幕を告げる大会で参加24か国の頂点に立った。

 全豪オープン(Australian Open Tennis Tournament 2020)連覇に向け視界良好となったジョコビッチは、ダブルスで勝利した後は目に涙を浮かべていた。

「今後の人生でこの経験を忘れることはないだろう。キャリアで最も素晴らしい瞬間の一つ」

「この15年間で信じられないようなキャリアを築けたのは本当に幸運だったが、チームのためにプレーすること、昔からの友人と一緒に国のためにプレーすることは格別だ。本当に特別なこと」

 ダブルスで幕を閉じた第1回大会は、母国を代表して戦うアスリートの情熱に満ちた好ゲームで盛りだくさんとなり、選手とファンから高評価を得た。

 ATPカップの賞金総額は1500万ドル(約16億4000万円)で、選手はシングルスで最大750、ダブルスで最大250のATPランキングのポイントを獲得できる。また、コート上でのコーチングが可能で、コートの隅にはチームゾーンが設けられるなど新たなルールも採用されている。

 今月開幕する全豪で通算8度目の優勝を目指すジョコビッチは、ナダルとの直接対決を通算28勝26敗とリードしてこの試合を迎えていた。

「ラファとプレーするときはいつも互いに多くのエキサイティングなポイントがある。最高のラリーがあった」

 敗れたナダルは、第2セットの内容に満足しているという。「チャンスはあった。僅差だった。もちろん負けたのでハッピーではないが、第2セットの感触はポジティブだった」「きょうは少しシーズンの始めすぎたのかもしれない」

 今大会のシングルスでジョコビッチは6戦全勝で、一方のナダルは4勝2敗だった。(c)AFP/Martin PARRY