【1月11日 AFP】男子テニスの国別対抗戦ATPカップ(ATP Cup 2020)は11日、オーストラリア・シドニーで準決勝が行われ、セルビアはノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic)がロシアのダニール・メドベージェフ(Daniil Medvedev)との激闘を制して2-0のリードを築き、決勝進出を決めた。

 第1試合のシングルスで、セルビアは冷静なプレーを見せたドゥサン・ラヨビッチ(Dusan Lajovic)が7-5、7-6(7-1)でカレン・ハチャノフ(Karen Khachanov)を下して先勝し、世界ランク2位のジョコビッチに理想的な舞台を整えた。

 すると、四大大会(グランドスラム)通算16勝を誇り、今月の全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2020)で自身8回目のタイトル獲得を目指しているジョコビッチは、メドベージェフに6-1、5-7、6-4で勝利した。

 これでセルビアは、ダブルスを前に戦績を2-0として決勝進出が決定。12日の頂上決戦では、ニック・キリオス(Nick Kyrgios)を擁するオーストラリアとラファエル・ナダル(Rafael Nadal)を中心とする国別対抗戦デビスカップ(Davis Cup 2019)覇者スペインの勝者を迎え撃つことになった。

 ATPカップでの激戦で、全豪オープンの前哨戦として行われる次週のアデレード国際(Adelaide International 2020)の出場を辞退すると表明したジョコビッチは、「すごい試合になった。ラリーの応酬でかなり疲労している。ダニール・メドベージェフは世界でも指折りの選手の一人であり、きょうはその理由を示した」「ベースラインから彼を打ち負かすのは困難だ。彼は長身で強力なサーブを持っている。今年の中では最も難しい試合だった」と語った。

 カナダとの準々決勝でデニス・シャポバロフ(Denis Shapovalov)に今年初めてセットを奪われたジョコビッチだったが、この日のメドベージェフ戦では試合開始からすぐに主導権を握った。

 前日の準々決勝ではナダルが高温多湿のコンディションに見舞われてシングルスを落としたが、そのときよりも湿度が低くなる中で、ジョコビッチは第1セットで先にブレークしてゲームカウント3-1とし、そこから一気にリードを拡大。再びブレークに成功して5-1とすると、自身のサービスゲームをものにして、わずか31分で先行した。

 一方、ジョコビッチ戦では最近2連勝を記録していたメドベージェフは、第2セットの第1ゲームでもいきなりブレークを許して苦戦するかと思われたが、そこから脅威の巻き返しを見せた。

 次のゲームではメドベージェフがギアを上げてブレークポイントを4本握ると、ジョコビッチがアウトと判断して誤ってボールを見送り、ロシアの世界5位がブレークバックに成功。メドベージェフは再びブレークに成功して3-1とリードを広げると、ジョコビッチがいら立ちを募らせてラケットをたたきつける中でこのセットを取り返し、勝負を最終セットに持ち込んだ。

 第3セットは互いにサーブから高レベルのラリー戦を繰り広げる長丁場となったが、第5ゲームではジョコビッチがネットに出てボレーを決め、ゲームカウント3-2とリード。メドベージェフはその後反撃できなかった。(c)AFP