【3月5日 AFP】アフリカ大陸に広がる森のどこかに、巨大なアゲハチョウがいる。昼間に活動する同大陸最大のチョウで、科学的な記録はほとんどないものの、有毒であることが知られている。

 アゲハチョウの名前は、ドルーリーオオアゲハ(学名:Papilio antimachus)。1782年に発見された。オレンジ色がかった茶色に黒いしま模様のある珍しい羽を持ち、開長(広げた羽の両端間の長さ)は最大25センチほどの、世界最大級のチョウだ。

 しかし、このチョウの生活周期や寿命を理解するカギとなる幼虫やさなぎの段階についても、これまで誰も研究することができていないことは注目に値する。

 この謎を解明するため、民間出資によるフランスの遠征隊およそ20人が、中央アフリカ南部のロバイエ(Lobaye)川のほとりにキャンプを設置し、調査を行った。遠征隊の研究主幹で昆虫学者のフィリップ・アノイヤー(Philippe Annoyer)氏は「この種は他の多くの種と同様に、ますます希少になっている」と述べた。ただ、採集が難しいため、保全状態を正確に判断するにはデータが不足しているという。(c)AFP/Camille LAFFONT