【1月2日 AFP】米国による親イラン派勢力空爆に抗議する人々がイラクの首都バグダッドにある米大使館を襲撃した事件で、デモ隊は1日、イランを後ろ盾とするイスラム教シーア派(Shiite)の武装組織からなる連合体「人民動員隊(Hashed al-Shaabi)」の命令を受けて、米大使館の包囲を解いて退去した。

 米国による親イラン派勢力への空爆で戦闘員25人が死亡したことに反発した大勢のデモ隊は12月31日、米大使館を襲撃。そのほとんどは大使館の外壁前に数十張りのテントを設置し、夜を過ごした。デモ隊が支持する人民動員隊の大半は、イランで訓練を受けている。

 この数か月、イラク駐留米軍を狙ったロケット弾攻撃が相次いでおり、先週の攻撃では米国人の請負業者1人が死亡。12月29日の空爆はこの攻撃への報復だった。

 ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領や米高官らは、米軍と米大使館に対する攻撃の責めを負うべきはイランと主張。トランプ氏はツイッター(Twitter)に「イランはとても『大きな代償』を払うことになる! これは警告ではない、脅迫だ!」とけん制。最後には「新年おめでとう!」と書き込んだ。

 イランの最高指導者アリ・ハメネイ(Ali Khamenei)師は米国がイラクで実施した空爆を非難し、イランには反撃の用意があると警告。国営テレビでの演説で、「何よりもまず、あなたは何一つできない! これはイランとは何の関係もない」と述べ、「イラン・イスラム共和国は一国に対抗する、または一国と戦うと決めたなら、堂々と実施する」と言明した。(c)AFP/mmar Karim