【1月1日 AFP】米国は12月31日、イラクの首都バグダッドで親イラン派のデモ隊が米大使館を襲撃した事件を受け、兵士数百人を中東に増派すると発表した。デモ隊は襲撃で、壁へ放火したり「米国に死を!」とシュプレヒコールを上げたりした。

 12月29日の米国による親イラン派勢力への空爆で戦闘員25人の死者が出たことに抗議するデモ隊数百人が12月31日、警備の厳重な「グリーンゾーン(Green Zone)」の検問を突破した。デモ隊はイラクからの米軍撤退を要求し、イラン革命防衛隊(IRGC)の精鋭部隊「コッズ部隊(Quds Force)」のガセム・ソレイマニ(Qasem Soleimani)司令官に忠誠を誓った。

 マイク・ポンペオ(Mike Pompeo)米国務長官は、襲撃は「テロリストが画策した」と述べ、テロリストの一人としてアブ・マフディ・ムハンディス(Abu Mahdi al-Muhandis)容疑者の名を挙げた。

 ムハンディス容疑者は、イランの支援を受けるイスラム教シーア派(Shiite)の武装組織からなる連合体「人民動員隊(Hashed al-Shaabi)」の副司令官とみられている。人民動員隊には、米国による空爆の標的となった強硬派組織「神の党旅団(カタイブ・ヒズボラ、Hezbollah Brigades)」も参加している。

 マーク・エスパー(Mark Esper)米国防長官は、今後数日間で陸軍第82空挺(くうてい)師団(82nd Airborne Division)の即応部隊から約750人を中東地域に増派する用意が整っていると発表。増派について「米国の人員と施設に対する脅威の高まりに応じた、適切な予防的措置」と説明した。(c)AFP/Ahmad al-Rubaye with Paul Handley in Washington