【12月31日 AFP】サッカーの規則作成を行う国際サッカー評議会(IFAB)のルーカス・ブルド(Lukas Brud)事務局長が30日、「明確で、明白な」ミスがあった場合にのみビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)がピッチ上での判定を覆すべきだとの見解を示した。

 VARは今季からイングランド・プレミアリーグに導入されて以来、かなりの物議を醸しており、オフサイドに関連する判定については特に悩みの種になっている。

 先週にはノリッジ・シティ(Norwich City)やブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンFC(Brighton & Hove Albion FC)、シェフィールド・ユナイテッド(Sheffield United)、ウォルバーハンプトン・ワンダラーズ(Wolverhampton Wanderers)、クリスタルパレス(Crystal Palace)といったクラブのすべてが、利用可能な技術がそういった微妙な判定を下せるほどの正確性を持ち合わせているのかにも疑念が生じる中で、VARのわずかな判定によりゴールを取り消されている。

 選手や監督は、肉眼には正しいように見えるピッチ上の判定を無効にするためにVARを使用すべきではないと疑問を呈しており、ブルド事務局長はこの意見を支持。プレミアリーグの特定の件について言及したわけではなかったが、ブルド氏はIFABによる指導ではVARは明らかなミスを是正するためだけに使われるべきで、これはオフサイドにも適用されると語った。

 英メディアに対してブルド氏は「明確性、明白さは残り続ける。それが最も重要だ」「わずかな何かを見つけるのに多くの時間が割かれてはならない」とコメント。

「オフサイドかそうではないかを確認しようとするのに数分かけているのであれば、それは明確でも、明白でもなく、当初の判定が有効になるべきだ」

 シェフィールド・ユナイテッドは29日の昨季王者マンチェスター・シティ(Manchester City)との対戦でVARによってゴールを取り消された。今季のゴール取り消しが五つ目となった同クラブのクリス・ワイルダー(Chris Wilder)監督は「またまたVARにゴールが認められなかった」「この週末で8回か9回目だ。これではサッカーを支援するというものではない」といら立ちをみせた。

 一方でその試合を2-0で制したシティのジョゼップ・グアルディオラ(Josep Guardiola)監督ですらVARは「ひどい状態」であると述べ、「来季は向上することを願う」と続けている。(c)AFP