■品質に懐疑的な顧客も

 カルーガクイーンの副社長、夏永濤(Xia Yongtao)氏は、2006年の初出荷以来、顧客の信頼を得るため「長い道のり」を歩んできたと話す。同社は、中国の食品スキャンダルのニュースをよく目にしている国外の顧客の懐疑的な態度の払拭(ふっしょく)に努めている。

「数年前まで顧客は中国産キャビアに気乗りしない様子だった」と話すのは、仏パリを拠点とするキャビア卸売業者「キャビアリ(Kaviari)」のラファエル・ブシェ(Raphael Bouchez)社長だ。

 ブシェ氏は、中国生産者の養殖方法や環境に配慮していることを顧客に説明している。同氏は「中国産キャビアは非常に高品質」と評価しているが、「それでも、多くのシェフは使いたがらない。フランスやウルグアイなどで生産されたキャビアを好む」と話す。

 今日、カルーガクイーンの年間売上高は2億2000万元(約34億円)に上る。世界中のレストランで使われており、ドイツのルフトハンザ航空(Lufthansa)や仏高級レストラン「ラトリエ・ドゥ・ジョエル・ロブション(L'Atelier de Joel Robuchon)」、ミシュランガイドの星を獲得している上海のレストラン2軒なども顧客だ。

 また夏氏によると、ある卸売業者は、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長にカルーガクイーンのキャビアを販売したことがあるという。

 映像は2019年11月撮影。(c)AFP/Ludovic EHRET