【4月29日 AFP】ある晴れた朝、中国東部・浙江(Zhejiang)省にある千島湖(Qiandao Lake)の湖面は漁師の網にかかって暴れる大量の魚でお湯が沸き立っているように見えた。

 迷路のように入り組んだこの美しい人造湖は、緑豊かな1000以上の小島が浮かんでいることからこの名がある。漁師の葉志清(Ye Zhiqing)さんは春の漁の季節を迎えたこの湖で、約100隻の漁船を指揮している。

 コイの仲間で人気の食用淡水魚、ハクレンやコクレンの群れが見つかると葉さんが考案した巨大な網が漁船から湖に広げられる。網の中には長さが数キロに達するものもある。

 小舟が小さな網を引いて大型船の方へ魚を追い込んでいく。多くの船が協力し、一丸となって漁をする。逃げ場を失った大量の魚が網に捕らえられ水面で暴れている。葉さんが考案した網は稚魚がかからない構造になっており、持続性があるとして政府の賞を受けた。

 これらの魚は藻を餌にすることから、魚の量を健全な水準に維持することで中国の汚染された多くの淡水域で問題になっている藻の増殖を防止し、湖の水質が維持されるという。(c)AFP