【12月23日 AFP】香港でデモを続けている民主派は22日、新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)のウイグル人住民らが中国当局に人権を侵害されているとして、ウイグル人への連帯を示す集会を開いた。一部の参加者が警察と衝突、警官一人が銃を参加者に向け、周辺は一時騒然とした。

 香港のデモではウイグルを支持するスローガンや旗が当たり前となっているが、ウイグル人支援に特化した集会が行われたのはこれが初めて。参加者たちは香港の状況をウイグル人弾圧になぞらえており、今回の集会が中国政府の怒りを買うことは必至だ。

 約1000人がハーバーフロント近くの広場に集まり、中国共産党によるウイグル自治区での弾圧はいつの日か香港でも行われると訴える演説に耳を傾けた。

 参加した多くの人が、青地に白い三日月が書かれた「東トルキスタン」の旗を振っていた。東トルキスタンはウイグル分離派が使用する新疆ウイグル自治区の名称。

 現場にいたAFP特派員によると当初、集会は平和的だったが、一部の参加者が近くの政府庁舎に掲げられていた中国国旗を外し燃やそうとしたことをきっかけに、機動隊が突入。機動隊が催涙スプレーを噴射すると、怒った群衆が水の入ったボトルを投げるなどして応酬した。一人の警官が銃を構え、参加者に向けるなど一時会場は騒然とし、最終的に集会は解散させられた。

 多くの香港市民は、特に習近平(Xi Jinping)国家主席の就任以降、高圧的になっている中国に自由をむしばまれていると不安を抱いている。22日の集会でも多くの参加者が、中国本土式の統治が間近に迫っていると感じると話していた。

 参加した20代後半の公務員の女性は、機動隊の突入前にAFPに対し、「中国政府は何でも統制したがる。自分たちと異なる意見に耐えることができない」「新疆ではやりたい放題で、それは彼らがそうする権力を持っているからだ。香港(の統治)を引き継げば、同じことをするだろう」と語った。(c)AFP