【1月3日 AFP】英ロンドンのロイヤル・バレエ団(The Royal Ballet)や米ニューヨーク拠点のアメリカン・バレエ・シアター(ABT)などと異なり、仏パリ・オペラ座バレエ団(Paris Opera Ballet)に所属する外国人ダンサーの数は非常に少ない。団員154人のうち外国出身者はわずか25人だ。

 AFPは今回、同バレエ団の現役外国人ダンサー数人にインタビューした。

■オニール・八菜(Hannah O'Neill)さん(26) ニュージーランド

 オニールさんの忘れられない瞬間は、バレエ「シンデレラ(Cinderella)」のビデオを見た時だ。ビデオには、パリ・オペラ座バレエ団を率いたロシアの伝説的ダンサー、ルドルフ・ヌレエフ(Rudolf Nureyev)さんの他、花形ダンサーだったシルヴィ・ギエム(Sylvie Guillem)さんやシャルル・ジュード(Charles Jude)さんが出演していた。

「あれ以来、私にとってのバレエは、パリ・オペラ座だった」と話すオニールさんは今、「エトワール」に次ぐ階級「プルミエール・ダンスーズ」に属する。

 ニュージーランド出身の元ラグビー選手の父と日本人の母を持つ東京生まれのオニールさんは、高い身体能力とダンスへの愛情を受け継いだ。

 14歳の時にパリ・オペラ座バレエ学校への入学を懸けた外部のバレエコンクールで優勝を逃し、挫折を味わったが、代わりにオーストラリア・メルボルンにあるオーストラリアン・バレエ・スクール(Australian Ballet School)に入学。ローザンヌ国際バレエコンクール(Prix de Lausanne)やユース・アメリカ・グランプリ(Youth America Grand Prix)で入賞を果たした。

 だが、決して夢を諦めず、18歳の時にパリ・オペラ座に入団。2015~16年にオペラ座バレエ団の芸術監督を務めたベンジャミン・ミルピエ(Benjamin Millepied)氏は、バレエ団のさらなる多様性を求めオニールさんを演目「白鳥の湖(Swan Lake)」の主役に抜てき。オニールさんにとって大きな転機となった。

「年々成長している」と話すオニールさん。「バレエのスタイルという意味においては、自分は完全にフランスのダンサーだと思っている。それが私の進みたい方向性であり、踊りたいスタイルだ。自分の居場所を見つけたと感じている」と語った。