【12月22日 AFP】英ロックバンド「ザ・ローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)」のボーカル、ミック・ジャガー(Mick Jagger、75)が心臓弁の置換手術を受けて「回復中」であることを明らかにしたかと思えば、ヘビーメタル歌手オジー・オズボーン(Ozzy Osbourne、70)は転倒して負傷したため年内のツアー全日程を延期した。さらに、英ロックバンド「ザ・フー(The Who)」のギタリスト、ピート・タウンゼント(Pete Townshend、73)は重度の難聴を抱えている。(※この記事は、2019年4月28日に配信されました)

 ロック界のレジェンドたちも年には勝てないのかもしれない。

 引退ツアー、伝記映画、懐かしのヒット曲を集めたコンピレーションアルバムのリリース――20世紀半ばから活躍してきたレジェンドたちは老い、ロック界に「死に神」がひたひたと忍び寄ってきている。音楽業界からは、もはやロックに未来はないのではないかと危ぶむ声も出てきている。

 ロックの旗印を掲げ登場するバンドがいないわけではない。2000年代には「ザ・ブラック・キーズ(The Black Keys)」「ザ・キラーズ(The Killers)」などがロック界に久々の新風を吹き込んだ。

 だが、調査会社ニールセン・ミュージック(Nielsen Music)によると、2018年で最もストリーミング配信された楽曲トップ10にロックバンドは一つも入っていない。そのうち9曲をヒップホップとR&Bのアーティストが占め、首位はポップ界の大スター、アリアナ・グランデ(Ariana Grande)が抑えた。

 世界の主要な音楽フェスティバルでも、ロックバンドの出演機会が減り、代わりにポップ、ラップ、エレクトロミュージックのアーティストがヘッドライナーを務めるようになっている。2018年は、米野外音楽フェスティバル「コーチェラ・バレー・ミュージック&アートフェスティバル(Coachella Valley Music & Arts Festival)」のヘッドライナーから初めてロックバンドが姿を消した。