【12月8日 AFP】米国とイランの間で緊張が高まる中、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は7日、「極めて公正な」交渉によりイランで拘束されていた中国系米国人が釈放されるなど、両国の拘束者交換が無事に成功したとして、イランに謝意を表明した。同大統領が敵対関係にあるイランに肯定的な発言をするのは異例。

 拘束者の交換は中立国スイスで実施され、イランは2016年からスパイ罪で拘束されていた米プリンストン大学(Princeton University)大学院生のシーユエ・ワン(Xiyue Wang)氏を釈放し、米国は1年前にシカゴで拘束したイラン人を解放した。

 ワン氏が家族との再会に向けて帰国の途に就く中、トランプ氏はツイッター(Twitter)に「イランに対し、極めて公正な交渉を感謝する」と投稿。また報道陣に対して「1対1の人質交換だった」ことを明かした。ワン氏は医療検査のためドイツに立ち寄ってから米国に帰国する予定で、トランプ氏が自ら出迎えるとみられている。

 スイスのベルンにある米国大使館はツイッターに、チューリヒの雨水が残る駐機場で、米政府専用機を背景に、ワン氏がエドワード・マクマレン(Edward McMullen)駐スイス米国大使と抱き合っている画像を投稿した。米政府高官は、ワン氏が元気で「非常に、非常に快活」な様子だったと語った。

 トランプ氏がワン氏の釈放を公表する直前、イラン政府も自国民のマスード・ソレイマーニー(Massoud Soleimani)氏が米国で解放されたことを発表していた。(c)AFP/Elodie CUZIN