【12月8日 AFP】19-20イングランド・プレミアリーグは7日、第16節の試合が行われ、トッテナム・ホットスパー(Tottenham Hotspur)は5-0でバーンリーFC(Burnley FC)に大勝。特に孫興民(Heung-Min Son、ソン・フンミン)の見事な独走ゴールについて、ジョゼ・モウリーニョ(Jose Mourinho)監督は、ブラジル代表のレジェンドであるロナウド(Ronaldo)氏以来のベストゴールだと絶賛している。

 アジア国際最優秀選手賞(AFC Asian International Player of the Year)のトロフィーを同じ韓国の朴智星(Park Ji-Sung、パク・チソン)氏から手渡されたその日、孫は輝かしいキャリアの中でも間違いなく最高のゴールを決め、世界トップレベルの選手であることを改めて証明した。

 チームがハリー・ケイン(Harry Kane)とルーカス・モウラ(Lucas Rodrigues Moura da Silva)のゴールで2点を先行して迎えた前半途中、自陣の深い位置からドリブルを開始した孫は何人もの相手選手を抜き去ると、驚異的な加速でゴールに迫り、最後は冷静にシュートを決めて試合の主役の座を奪った。

 2015年にドイツ・ブンデスリーガ1部のバイヤー・レバークーゼン(Bayer Leverkusen)から加入した孫は、これでトッテナム通算77ゴール目で、今季公式戦10ゴール目。過去にも記憶に残る瞬間を多く生んできたが、これほどのゴールはなかった。

 ファンからは、1981年のFAカップ(FA Cup)でリカルド・ビジャ(Ricardo Julio Villa)氏が決めた珠玉のゴールや、2010年の欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2019-20)のインテル(Inter Milan)戦でギャレス・ベイル(Gareth Bale)が挙げたスーパーゴールに匹敵するクラブ史上最高のゴールの一つだという声も上がっている。

 ソーシャルメディアには、リオネル・メッシ(Lionel Messi)やジョージ・ウェア(George Weah)氏の美しいゴールと比較するファンもいるが、チームを率いるジョゼ・モウリーニョ監督は、スペイン1部リーグのFCバルセロナ(FC Barcelona)でアシスタントを務めていた頃に見たロナウド氏の独走ゴールを思い出したと話している。

「このゴールの前にも、私の息子は彼をソナウドと呼んでいたが、きょうの孫はまさにソナウドだったよ!」

「信じられないゴールだ。ゴール前まで行くだろうなとは確信したし、あのトラップは誰にも止められない。相手のキーパーも良い選手だが、孫がゴールをねじ込んだ」

「これと唯一比較できるのは、私がバルセロナでボビー・ロブソン(Bobby Robson)と働いていた1996年に、ロナウドがSDコンポステーラ(SD Compostela)戦で決めたゴールだ」「あのときのロナウドもハーフウエーラインあたりでボールを持ち、同じようなゴールを決めた。信じられない得点だった」

 トッテナムの監督になる前から孫を常々高く評価していたモウリーニョ監督だが、解任されたマウリシオ・ポチェッティーノ(Mauricio Pochettino)前監督に代わって就任してわずか数週間で、孫への理解をさらに深めている。

「外から見ていたときも、彼には好印象を抱いていた。サー・アレックス(・ファーガソン氏<Alex Ferguson>)と朴智星について話したのを覚えている。文化的なものだ。彼らは学習意欲が高く、とても謙虚だ」「孫の両親とも会い、出自も理解した。素晴らしい選手。私もとてもうれしい」

 大勝したトッテナムは、4位チェルシー(Chelsea)と勝ち点6差の暫定6位に順位を上げている。(c)AFP/Steven GRIFFITHS