【11月28日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領の弾劾の是非をめぐる公聴会で証言したゴードン・ソンドランド(Gordon Sondland)駐欧州連合(EU)大使が27日、女性3人からセクハラ行為で告発された。

 ソンドランド氏は疑惑を否定し、また同氏の弁護士は、公聴会でのソンドランド氏の証言の信ぴょう性を損なうことが告発者らの狙いだと主張している。

 トランプ氏からEU大使に任命されたソンドランド氏は、米シアトル(Seattle)出身の裕福なホテル実業家。女性3人はオレゴン州ポートランド(Portland)の月刊誌「ポートランドマンスリー(Portland Monthly)」の記事の中で、ソンドランド氏からの性的行為を拒否した後に職業的立場を利用して報復されたと、本名を明かして述べた。

 1人目の女性、ジャナ・ソリス(Jana Solis)さんは2008年、ホテルの安全性に関する専門家として仕事を探していたときにソンドランド氏と会った。昼食を共にすると、ソンドランド氏はソリスさんを「私の新しいホテル嬢」と呼んで仕事を提案した後、ソリスさんの尻をたたいた。

 その後、ソンドランド氏は個人のアートコレクションを評価してもらいたいと言って、ソリスさんをポートランドにあるプール付きの自宅に招待した。コレクションの中には、ソンドランド氏が当時大統領だったジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)氏と一緒にいる写真もあった。その後、ソンドランド氏はプール場で局部を露出したという。それ以降に会ったときも、ソンドランド氏に無理やりキスをされたと、ソリスさんは主張している。

 2人目の女性、ニコール・ボーゲル(Nicole Vogel)さんは、新しい雑誌への出資を求めていた2003年にソンドランド氏とディナーで会った。ディナーの後、ソンドランド氏は自身が所有するホテルへボーゲルさんを連れて行き、客室を見ようと誘った。部屋の中で同氏はボーゲルさんにハグを要求し、「顔を両手で挟んで私にキスをして」と求めたという。ボーゲルさんは拒否し、その場から去ったと述べた。

 ボーゲルさんは、女性たちの証言記事を公開したポートランドマンスリーの親会社の最高経営責任者(CEO)。同誌によると、記事にはボーゲルさん自身が関与していることから、非営利の米調査報道機関「プロパブリカ(ProPublica)」と協力したという。

 一方、ソンドランド氏は声明ですべての疑惑を否定し、自分が同誌に出資しなかったことへの怒りに根差した「不正な記事」だとしてボーゲルさんを非難している。(c)AFP