【11月22日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領弾劾の是非をめぐり米下院情報特別委員会(House Intelligence Committee)が20日に開いた公聴会では、証人のゴードン・ソンドランド(Gordon Sondland)駐欧州連合(EU)大使が、大統領に親しみを持ってもらうために汚い言葉を多用する「トランプ流」のしゃべり方をしていることを明かす一幕があった。

 この日の証言では、テレビ中継される公聴会としては異例の不謹慎なスラングが飛び出した。同委員会委員の民主党議員はソンドランド氏に対し、同氏がトランプ氏との会話の中でウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は「あなたのけつ(ass)が大好きだ」と述べたことは事実かと質問。するとソンドランド氏は笑みを浮かべて「私が言いそうなことだ」と返答した。

 ソンドランド氏が続けて「トランプ氏とはそんなふうに会話している。(下品な)4文字語をたくさん使って。まあ、この場合は3文字だが」と言うと、公聴会の場は笑いに包まれた。ソンドランド氏は、自分はトランプ氏に対し、ゼレンスキー大統領が「非常に積極的に米国に協力したがっており、極めて友好的だった」ことを伝えようとしたと説明。「これをトランプ流に言えば『彼はあなたのけつが大好きで、あなたが望むことは何でもする』となる」と述べた。

 このやり取りについては、公聴会で先に証言した駐ウクライナ外交官のデービッド・ホームズ(David Holmes)氏が最初に明かしていた。ホームズ氏によると、ソンドランド氏はウクライナの首都キエフでゼレンスキー大統領と会見した後、米関係者を昼食に招いた。

 ソンドランド氏は昼食の席で、ワインのボトルを注文した後、トランプ氏と携帯電話で話した。その際、トランプ氏は「非常に大きく、よく聞こえる声で」話しており、ソンドランド氏から「ゼレンスキー大統領はあなたのけつが大好きだ」と伝えられると、「じゃあ、彼は調査をするんだな?」と聞き返したという。

 トランプ氏は、首脳会談開催や軍事支援の条件としてウクライナに自身の政敵ジョー・バイデン(Joe Biden)氏の調査を要求していた疑いをめぐり、弾劾を求める声に直面している。

 ソンドランド氏は公聴会で、自身がトランプ氏の指示に従い、ウクライナに対して「見返り」を要請していたと証言。トランプ氏は先月、ソンドランド氏について「非常に良い男だ」と述べていたが、20日には報道陣に「彼のことはよく知らない」と語った。(c)AFP