【11月28日 AFP】クレムリン(ロシア大統領府、Kremlin)は27日、ドーピング問題をめぐり同国のアスリートに4年間の出場停止処分が提案されたことに関して懸念を示した一方、スキャンダルの解決へ協力する姿勢を見せた。

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 世界反ドーピング機関(WADA)のコンプライアンス審査委員会(CRC)は25日、モスクワの反ドーピング検査所から回収した検査データが改ざんされていたと認定し、今後4年間にわたりロシアが国際スポーツ大会に出場するのを禁止するように勧告した。

 来月開かれるWADAの常任理事会でCRCの提案が承認されれば、ロシアは2020年東京五輪を含めて主要スポーツ大会から除外される可能性がある。

 こうした状況を受けて、ロシアの政府関係者として初めて口を開いたドミトリー・ペスコフ(Dmitry Peskov)大統領報道官は、「これは間違いなく懸念される情報であり、われわれとしては遺憾である」と報道陣に語った。

 その一方で、国際スポーツ組織に全面協力していく構えを見せ、「ロシアのスポーツ当局はこれまでも、そしてこれからも国際スポーツ組織やWADAに対して、可能な限りオープンな姿勢で協力と連携を継続していく」と述べた。

 ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領も27日、サンクトペテルブルク(St. Petersburg)で欧州サッカー連盟(UEFA)のアレクサンデル・チェフェリン(Aleksander Ceferin)会長と会談。来夏に予定されている欧州選手権(UEFA Euro 2020)のグループステージ開催に向けて全力を尽くす姿勢を示し、「ファンや選手たちを失望させないよう、最大限の努力をしていく」と述べた。

 さらには、ロシアのパベル・コロプコフ(Pavel Kolobkov)スポーツ相も同日、同国の各競技連盟の責任者と面会し、「各スポーツ連盟の責任者の意見や提案を聞けたのは大きかった」とコメントを発表した。

「われわれはこれまでも、そしてこれからも、スポーツの発展や競技大会の計画において、国際スポーツ組織のパートナーであり続ける。すべての国際組織が、ロシアとの協力体制を維持していくことに関心を持っていると考えている」 (c)AFP