【11月19日 CNS】中国・国家博物館で13日、円明園(Yuanmingyuan)の十二支獣首銅像の一つである「馬首」銅像が、同館で催されている「回帰の道――新中国成立70周年流出文化財返還成果展」で一般公開された。

 これがきっかけとなり、円明園の「十二支獣首銅像」が再び注目を浴びている。現在、全部で12体ある獣首銅像のうち、7体が中国に返還され、5体は依然行方不明のままだ。

 返還された7体の銅像の返還時期と収蔵場所は以下の通り。

 2000年、中国保利集団(Poly Group)が香港の競売会で「虎首」「牛首」と「猿首」の銅像を3300万香港ドルで落札。この3体はいずれも「保利芸術博物館」で収蔵している。

 2003年初頭、中華流失海外文物回収専門基金が米国美国で「豚首」の行方を突き止め、交渉後、米国コレクターは「豚首」を基金に譲渡することに同意。同年9月、香港の富豪、何鴻燊(Stanley Ho Hung-sun)氏が基金に対して600万元を拠出、「豚首」を買い戻す。その後、基金は保利集団に寄贈し、現在は保利芸術博物館で収蔵中。円明園の獣首銅像の中で、唯一公益ルートで返還された1体ということだ。

 2007年、何氏が6910万香港ドルを費やして円明園の「馬首」銅像を購入し、国に寄贈すると宣言。銅像は本来の場所、北京市円明園管理処に返還され収蔵の予定。

 2013年4月、フランスのピノー(Pinault)ファミリーが、海外に流出していた円明園「十二大水法遺跡」の青銅製「鼠首」と「兎首」を無償で中国政府に返還することを宣言。現在、中国国家博物館で収蔵中。

 そのほかの「蛇首」「鶏首」「犬首」「羊首」「竜首」の銅像は依然として行方不明のままだ。2018年12月に円明園「竜首」に似た銅像が海外の競売にかけられたことがあったが、その真偽については疑問が残るとされる。(c)CNS/JCM/AFPBB News