【7月9日 CNS】中国・北京市の円明園(Yuanmingyuan)で2017年、遺跡調査中に鏡香池(Jingxiangchi)跡から11粒のハスの種子が発見された。この種子は18年5月、中国科学院植物研究所に持ち込まれ、生育を試みた結果、11粒のうち6粒の発芽に成功した。

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 このハスは同年8月末には実験用鉢の中で葉が伸び、レンコンもできた。その後、温室内で冬を越し、今年4月に円明園のハス栽培センターに移植されて、とうとう花が咲いた。

 目を覚ましたハスは、我々を見て「この人たちはいったい誰だ?」と驚いているかも知れない。「朕(ちん、皇帝の自称名詞)の大清帝国はもう無いのか?」と言うかも知れない。昔のハスが復活したニュースは、瞬く間にインターネットで注目度ランキングトップに躍り出た。ネット仲間の間では目覚めたハスの話で会話がはずみ、「人が変わっても花は変わらず咲く」と、ハスの生命の奇跡に、驚きと称賛の声が寄せられた。

 同研究所の専門家の話によると「古いハスは普通のハスに比べ発芽までの時間が長く、生育が難しい。埋蔵時間が長いので、種子の品質変化も加わり、生育成功率は下がる」とのことだ。

 専門家は「ハスの種子は千年生きることもできる。埋蔵温度が低く、湿度が少なく、微生物の影響が少ない泥炭土の中では、種子が発芽する条件が整いにくい。種子は硬い殻に覆われ、水分や空気が遮断され、また種子の中に小さな部屋があり約0.2立方ミリの空気がたまっていて、これが種子の生命を維持する。このような条件のもとでは、種子は休眠し、新陳代謝はほぼ止まり、千年たってもなお発芽し根を出すことができる」と説明する。(c)CNS/JCM/AFPBB News