【1月6日 AFP】昔々、子ども番組では、カエルがキスをされると王子様になり、お姫様と結婚したものだった。だが、今どきの王子様はさっそうと馬にまたがり、男性と一緒に夕日の中へ去っていく――これは、動画配信サービス「Hulu(フールー)」の最新ヒットアニメ「ザ・ブレイベスト・ナイト(The Bravest Knight)」の一場面だ。

 番組制作者らは、番組の世界に現実の世界を忠実に反映させようと苦心しており、そのはじめの一歩として、非伝統的な家族やLGBTQ(性的少数者)のキャラクターを登場させている。

 ディズニー・チャンネル(Disney Channel)は、ティーンエージャー向けドラマ「アンディ・マック(Andi Mack)」で、同チャネル史上初めて同性愛者の恋愛を取り上げた。また、米児童番組専門チャンネル、ニコロデオン(Nickelodeon)は3年前、「ザ・ラウド・ハウス(The Loud House)」に人種の異なる同性カップルを登場させた。さらにアニメ専門チャンネルのカートゥーン・ネットワーク(Cartoon Network)は2018年、アニメ「スティーブン・ユニバース(Steven Universe)」で、女性同士の結婚をさりげなく取り上げた。

 専門家らは、番組に自分たちの住む現実の世界が映し出されているのを見るのは子どもにとって重要だと指摘する。だが、同性愛者のキャラクターを登場させたこれらの番組は激しい反発を招いた。

 米公共放送PBS傘下のアラバマ公共放送(Alabama Public Television)は今年、人気アニメ「アーサー(Arthur)」の同性カップルの結婚エピソードの放送を中止した。