【11月13日 AFP】スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリ(Greta Thunberg)さん(16)は12日、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領の気候変動否定論は、「あまりにも極端」であるため、長期的な温暖化を食い止めるための運動を活性化する一助となっているとの考えを示した。

 ほぼ3か月間にわたって滞在した北米を出発する前日、グレタさんは米バージニア州ハンプトン(Hampton)でAFPのインタビューに応じた。

 13日早朝に同国東部海岸沿いのこの町からヨットで欧州へ向けて出発するグレタさんは、出発の準備が進む船の中で、「トランプ大統領はとても極端で、とても極端なことを言うから、ある意味それで人々が目を覚ましたと思う」と述べた。

 さらに「トランプ大統領が当選した時、私はとうとう人々が目を覚まさなければならない時が来たと思った」「私たちが単に今のまま続いていけば、何も起こらないように感じていた。だから多分、彼が助けてくれているとね」

 グレタさんは米国とカナダで数か月にわたるキャンペーンを行い、9月には国連(UN)の気候行動サミットにも出席。環境に負担とならない手段で欧州に戻るため支援を募ったところ、カタマラン(双胴船)で生後11か月の男の赤ちゃんとともに生活し、冒険の記録をソーシャルメディアに投稿している若いオーストラリア人のカップルが支援を申し出た。

 このカップルはもともと、米国に冬の間滞在する予定だったが、グレタさんと父のスバンテ(Svante Thunberg)さんを乗せ、全長14メートルの「ラ・バガボンド(La Vagabonde)」号で欧州へ戻ることになった。

 欧州への旅は気象条件にもよるが、2~3週間かかる。12月2日~13日にスペインで開催される国連気候変動枠組み条約第25回締約国会議(COP25)に参加するため、米国から5500キロ離れたポルトガルへ向かう。

 COP25はチリで開催される予定だったものの、政治的な混乱のため開催地が変更となり、グレタさんの旅のプランも変更を余儀なくされていた。(c)AFP