【10月30日 AFP】スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリ(Greta Thunberg)さん(16)が29日、環境問題への取り組みをたたえる賞の受賞を拒否し、地球温暖化対策を求める運動に必要なのは賞ではなく、権力者たちが科学に耳を傾け始めることだと述べた。

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 北欧5か国の議会間の協力機関である北欧理事会(Nordic Council)が、スウェーデンの首都ストックホルムで授賞式を開催。スウェーデンとノルウェーがトゥンベリさんを受賞候補者に推薦し、トゥンベリさんは同理事会が毎年授与する環境賞の受賞者に選ばれた。

 しかしスウェーデン通信(TT)によると、受賞者発表の後にトゥンベリさんの代理出席者が会場で、トゥンベリさんは賞も賞金35万デンマーク・クローネ(約570万円)も受け取らないと表明したという。

 トゥンベリさんは米国から、受賞を拒否した決断についてインスタグラム(Instagram)に投稿。「地球温暖化対策を求める運動に、これ以上賞は必要ない」と述べ、「私たちが必要としているのは、政治家や権力者たちが、現代で最善の利用可能な科学に耳を傾け始めることだ」と主張した。

 また、北欧理事会に「大きな名誉」だと謝意を表した上で、北欧諸国が地球温暖化問題における「良い評判」に応えていないと非難した。

 トゥンベリさんは、2018年8月から毎週金曜日にスウェーデン議会前で「気候のための学校ストライキ」のプラカードを掲げ、地球温暖化対策を訴えたことで有名になった。(c)AFP