【11月9日 AFP】(更新)インドの最高裁判所は9日、ヒンズー教とイスラム教の間で帰属をめぐって対立していた同国北部ウッタルプラデシュ(Uttar Pradesh)州アヨディヤ(Ayodhya)にある聖地をめぐり、ヒンズー教寺院建設のために土地を引き渡すよう命じる判決を下した。ヒンズー教寺院の建設に道を開く形となり、ナレンドラ・モディ(Narendra Modi)首相を支持するヒンズー国家主義者らにとっては大きな勝利となる。

 最高裁は、1992年にヒンズー教徒の暴徒が460年の歴史を持つモスクを破壊したアヨディヤの聖地について、ヒンズー教寺院の建設を統括する財団に土地が引き渡されなければならないとする判断を下した。

 数十年にわたる苦々しい法廷闘争、また宗教闘争の決着を目指した今回の歴史的な判決は一方で、新たなモスクを建設するために聖地とは別の土地がイスラム教徒側の団体に与えられるとした。

 判決に先立ち、インド当局は国内各地で警備を増強。警察が厳戒態勢を敷く中、モディ首相は平静を保つよう呼び掛けていた。

 モディ首相率いるヒンズー国家主義を掲げるインド人民党(BJP)の支持者を含む、国内の多数を占めるヒンズー教徒の強硬派は、戦士である神ラーマ王子(Lord Rama)がアヨディヤで誕生したとみなし、16世紀にイスラム王朝であるムガル(Mughal)帝国の最初の皇帝バーブル(Babur)が、1.1ヘクタールの土地に立つ寺院の上にモスクを建設したとしている。(c)AFP/Simon Sturdee, with Bhuvan Bagga in Ayodhya