【11月9日 AFP】オーストラリア東部を見舞う森林火災で、少なくとも3人が死亡し、多数の人が避難を余儀なくされている。消防隊は現場に到着することが困難なため、死者数は今後増加する恐れがあるという。

 今回の火災では、煙が立ち込めてくすぶり続ける低木地帯や、そびえ立つユーカリの木々が燃え上がる森で数時間連続で消火活動を強いられた消防隊員をはじめ、複数の人々が依然行方不明となっており、30人が負傷した。

 同国のスコット・モリソン(Scott Morrison)首相は、必要であれば、100か所前後の現場で消火活動に当たっている消防隊員約1300人を支援するために軍隊を動員することもあり得ると述べた。

 警察によると、同国東海岸部の町タリー(Taree)近郊で、全焼した建物内から1人の遺体が発見され、さらに車内で遺体1体が見つかり、数時間にわたる医師たちの救命措置もむなしく女性1人が死亡したという。

 ただ、9日には暑さと風がわずかに和らぎ、最も深刻な事態だった火災の件数は8日時点の17件からわずか数件にまで減少した。

 しかし、1000キロに及ぶ広大な地域内では、当局が収容施設や老人ホームの入所者の避難を強いられる一方で、複数の学校施設が炎上し、少なくとも民家150軒が損壊した。(c)AFP/Daniel DE CARTERET