【11月8日 AFP】フランスに亡命中のカンボジア野党「救国党(CNRP)」の指導者サム・レンシー(Sam Rainsy)氏が7日、カンボジアに帰国を試みたがパリの空港で航空機への搭乗を拒否された。同党のムー・ソクア(Mu Sochua)副党首も帰国を目指していたがマレーシアで一時、拘束された。カンボジアのフン・セン(Hun Sen)首相は、野党指導者らが帰国すれば逮捕すると警告していた。

 サム・レンシー氏とムー・ソクア氏は9日のカンボジアの独立記念日に合わせて帰国し、野党支持者らと会う予定だった。

 サム・レンシー氏はタイ経由でカンボジアに帰国し、フランスでの亡命生活を切り上げる計画だったが、シャルル・ドゴール(Charles de Gaulle)空港でタイ国際航空(Thai Airways)の職員に搭乗を拒否された。同氏はフランス国籍を持っており、家族も1960年代にフランスに移住している。

 1985年以来首相の座にあるフン・セン首相はこれに先立ち、サム・レンシー氏の帰国を阻止すると表明。帰国すれば即逮捕すると警告し、近隣諸国にも協力を求めていた。

 ムー・ソクア氏はサム・レンシー氏に合わせてカンボジアへの帰国を試みたが、クアラルンプールの空港で拘束された。

 今週に入り、カンボジア野党を支持する活動家2人も空路でタイに向かおうとしたところマレーシアで拘束されていた。ムー・ソクア氏と活動家2人は、いずれもその後釈放されている。(c)AFP/Guillaume Bonnet with Patrick Lee in Kuala Lumpur