【11月7日 AFP】女子ボクシングの草分け的存在で、通算2度の五輪制覇を誇るニコラ・アダムズ(Nicola Adams、英国)が6日、失明の恐れがあることを理由に現役引退の意向を表明した。

 2012年ロンドン五輪で女子ボクシングで同種目史上初の金メダリストとなり、2016年リオデジャネイロ五輪でフライ級連覇を果たした37歳のアダムズは、来年の東京五輪で自身3個目の金メダルを目指すことを断念すると明らかにした。

 英紙ヨークシャー・イブニングポスト(Yorkshire Evening Post)に掲載された公開書簡で、アダムズはグローブを置く決断をした理由について、ボクシングを続ければ視力が永遠に失われる可能性があると医師から忠告されたためと説明した。

 プロ転向から1年半後の2018年に、当時空位となっていたWBOフライ級王座のベルトを獲得したアダムズは、「これ以上自分の目に衝撃を与えれば、取り返しのつかない損傷につながり、視力が永遠に失われてしまうかもしれないと忠告されました」「母国を代表して五輪金メダルを獲得できたことは大きな誇りであり、WBOのベルトを手にしたことも夢がかなったと言えます…。ですが、それは自分の体に負担を強いないものではないのです」とつづった。

「私の素晴らしいチームへ、あなた方の励ましと理解がなければ、私は今のようなファイターにはなっていなかったでしょう。あなた方が私に教えてくれたのは、リングの外の世界にまで及ぶことです」「グローブを置くことは本当につらい気持ちでしたが、これ以上ないほど幸運でした。このスポーツがたどってきている道のりを心から誇りにしています」 (c)AFP