【10月17日 AFP】今月12日の試合で痛烈なKO負けを喫し、脳に重傷を負ったボクサーのパトリック・デイ(Patrick Day、米国)が、16日に死去した。27歳。プロモーターが明かした。

 米シカゴで行われたスーパーウエルター級の一戦で、チャールズ・コンウェル(Charles Conwell、米国)にKO負けを喫したデイは、搬送先の病院で緊急手術を受け、その後は昏睡(こんすい)状態にあった。最後は家族や友人に見守られながら息を引き取ったという。

 プロモーターのルー・ディベラ(Lou DiBella)氏は、「パトリックの家族やチーム、そして彼と近しい関係にあった方々を代表して、パットに届けてくれた祈りやサポート、あふれんばかりの愛情に感謝する」と述べた。

 デイは4回と8回にダウンを奪われて迎えた10回、コンウェルの右のパンチでよろめくと、続けざまに強烈な左フックを食らった。そのままあおむけに倒れて後頭部を激しくキャンバスに打ちつけると、レフェリーは10回1分46秒で試合終了を宣告。デイはしばらくリング上で治療を受けた後、意識がないまま担架で運び出された。

 今年に入り、リング上でのけがで命を落としたボクサーはデイで少なくとも3人目。7月にはロシアのマキシム・ダダシェフ(Maxim Dadashev)選手とアルゼンチンのウーゴ・サンティジャン(Hugo Santillan)選手が、試合中の脳の負傷が原因で死亡した。

 ディベラ氏は、デイの死が安全基準の厳格化につながることを祈っているとし、「このような時にボクシングがはらむ危険性をごまかしたり、正当化したりすることは困難だ」「今はルールを発布したり、決定したりすべき時ではないし、すぐに答えが見つかるわけでもない。だが、行動が求められている時だ」と述べた。

「答えがない一方で、間違いなく疑問点は多く存在するし、それに答える手段はある。そして責任を持って対応し、すべての競技者にとってボクシングをより安全なものにする機会だ」 (c)AFP