【11月5日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)に参戦するフェラーリ(Ferrari)は、第19戦米国GP(United States Grand Prix 2019)のレース後にレッドブル(Red Bull)のマックス・フェルスタッペン(Max Verstappen)から「不正行為をしていた」と攻撃されたことに反論した。

 3日に行われた米国GP決勝では、メルセデスAMG(Mercedes AMG)のバルテリ・ボッタス(Valtteri Bottas)が優勝し、2位に入ったルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton)が通算6回目の年間王者の座を確定させた。

 メルセデス勢に続いて3位に入ったフェルスタッペンは、フェラーリがそれまでのスピードやパフォーマンスを失ったのは、正式な技術指令が出されたことにより、不正行為を阻止されたからだと主張した。

 レッドブルは先日、パワーを促進するために設計された「巧妙な」燃料流量システムに関して、モータースポーツを統括する国際自動車連盟(FIA)に問い合わせをしていた。するとFIAの技術指令は、このシステムが違反であると宣告した。

 フェラーリのマッティア・ビノット(Mattia Binotto)代表は、米テキサス州オースティン(Austin)のサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(Circuit of The Americas)で行われた決勝レースの後、「ある技術指令とそれがわれわれの車に与える影響に関して、今週末にたくさんのコメントを読んだり聞いたりした」と報道陣に切り出した。

「レース後に耳にしたコメントには、とても失望している」「あのようなコメントは、このスポーツにおいて完全に間違っている。このスポーツのためにならないし、全員がもう少し慎重になるべきだと考える」

 決勝レース当日の3日に50歳の誕生日を迎えたビノット代表は、チームに向けられた疑惑の弁明として、フェラーリが6戦連続のポールポジションを逃し、それまでストレートで発揮してきた高速スピードを明らかに失った理由を説明した。

 米国GPの決勝レースで、フェラーリ勢はセバスチャン・ベッテル(Sebastian Vettel)がサスペンションの破損で序盤にリタイアを強いられ、シャルル・ルクレール(Charles Leclerc)は「旧型」のスペック2エンジンで、フェルスタッペンから約50秒遅れの4位でフィニッシュした。

 レース後にはフェルスタッペンが、フェラーリがスランプに陥っている理由について問われると、「不正行為をやめたからそうなった」と発言した。

 これを受けてビノット代表は、「事実として、われわれは前回のレースと同様、ポールポジションに肉薄していたと確信している。セブ(ベッテル)はポールを獲得できたと思う。しかし、少しばかりコーナーで慎重になり過ぎていたようだ」と述べた。

 一方、フェルスタッペンと並び次世代のF1王者の一人と目されているルクレールは、フェルスタッペン自身が何を言っているのか分かっていないと指摘し、「あれは冗談だろうというのが正直なところだ。何の根拠もないし、彼はチームの一員じゃない。僕たちはチームがやっていることを正確に認識している」「彼の発言の意図が分からない。僕らのことを何も分かっていない」と語った。(c)AFP