【10月29日 AFP】イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の最高指導者アブバクル・バグダディ(Abu Bakr al-Baghdadi)容疑者を自爆に至らせた米軍の急襲作戦は、ISの拘束下で死亡した援助活動家の米国人女性の名を冠した作戦名だったことをホワイトハウス(White House)が明かした。

 ホワイトハウスは今回の作戦名が、2015年に死亡が確認されたカイラ・ジーン・ミューラー(Kayla Jean Mueller)さん(当時26)に敬意を表したものだったと述べた。

 国際人道支援団体「デンマーク難民評議会(DRC)」で働いていたミューラーさんは、2013年にシリア北部アレッポ(Aleppo)で病院を訪問中に拉致され、翌14年に身柄をバグダディ容疑者に引き渡された。その後ミューラーさんは、バグダディ容疑者から繰り返し性的暴行を受けていたとみられている。

 ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領はバグダディ容疑者の死を発表した会見の中で、ミューラーさんについて「若く美しい女性」だったと言及した。

 ISは、2015年2月にシリア北部ラッカ(Raqa)近郊で米軍主導の有志連合がISに対し実施した空爆でミューラーさんは死亡したとしている。だが、ミューラーさんの死の具体的な状況は明らかになっておらず、遺体も発見されていないことから、両親のカール(Carl Mueller)さんとマーシャ(Marsha Mueller)さんは今も一抹の希望を抱いている。(c)AFP/Cyril JULIEN