【10月28日 AFP】暗闇の中、敵地を低空飛行する8機のヘリコプターから始まった作戦は、2時間後に世界の最重要指名手配犯の一人が米兵たちに追い込まれ、自爆したことで終結を迎えた。

 数千マイル離れた米国では、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領がホワイトハウス(White House)のシチュエーションルーム(緊急対応室、Situation Room)で、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の最高指導者アブバクル・バグダディ(Abu Bakr al-Baghdadi)容疑者の驚愕の最期を映像で見届けたと発表した。

「まるで映画を見ているかのようだった」──トランプ氏は、そう語った。映像はマイク・ペンス(Mike Pence)米副大統領や軍高官らとともに見たという。

 27日の会見後の質疑応答でトランプ氏は、バグダディ容疑者が「数週間にわたって監視下にあった」と明かした。

 同容疑者の位置情報が確認されると、特殊部隊による急襲作戦が26日に開始された。トランプ氏によると、「大規模」な部隊が任務に就いた。「ヘリコプター8機に加え、多くの艦艇や戦闘機も出動した」という。

 部隊はまず、現時点では未公表の地点から敵地内を約1時間10分飛行してシリア北西部へ進入。トランプ氏は「非常に低い位置をかなりの速さで移動した。だがこれは作戦の中で重要で、非常に危険な過程だった。進入し、機外へ出た」と述べ、「途方もない攻撃に遭う可能性があった」と明かした。

 そして部隊が標的の建物に着陸すると、「大混乱が巻き起こった」という。