【10月21日 AFP】スイスで20日に投開票された総選挙で、野党・緑の党(Green Party)が国民議会(下院)の議席を大幅に増やし、歴史的躍進を遂げた。一方、反移民政策を訴える右派与党の国民党(SVP)は、支持率を落としながらも下院最大政党の座を維持した。

 移民に矛先を向けることで繰り返し非難を受けてきた与党SVPの得票率は、前回2015年の29.4%から下がり、25.6%だった。

 一方、緑の党は、選挙前の予測を上回る13.2%の支持率を獲得し、前回から6ポイントの伸びを見せた。また自由主義的な社会経済政策を推進する環境系政党の自由緑の党(Green Liberal Party)も、5%に満たなかった前回の得票率から今回は7.8%に伸びた。

 AFPの取材に対し、ある政治学者は「ただの波ではない、スイス全体で大変動が起きている」と述べた。

 また同国ローザンヌ大学(University of Lausanne)の政治学者、オスカー・マッツォレーニ(Oscar Mazzoleni)氏はAFPに対し、欧州移民危機が「1面記事となっていた」2015年と比較して、SVPは高齢化する支持層の関心が薄まった一方で、若い有権者の支持を得られなかったことが今回の結果に反映されたと語った。(c)AFP/Agnès PEDRERO