【10月12日 AFP】フィリピン南西部バラバク(Balabac)島で、漁師の男性(20)が巨大なイリエワニに襲われ、ボートから引きずり落された後に死亡した。地元当局が10日、明らかにした。約3万5000人の人口を抱える同島では、イリエワニに襲われる事例が相次ぎ、住民の間では恐怖が広がっている。

 地元警察のソクラテス・ファルタド(Socrates Faltado)氏はAFPの取材に対し、この男性が8日夜、仲間とともに漁からバラバク島に戻る途中、体長4.9メートルのワニにボートから引きずり落とされたと説明。翌日になって住民が、ワニの顎に残っていた男性の遺体を発見したという。

 住民らはその後、ダイナマイトを使ってワニを殺処分した。

 バラバク島があるパラワン(Palawan)州で自然保護を統括する自治体機関によると、この地域では2か月近く前にも、10歳の少年がイリエワニに襲われて死亡したばかり。

 さらに今年は他にも、漁師と15歳の少年がバラバク島沖でワニに襲われ死亡。昨年には同島周辺で2人が死亡しているという。

 同機関の報道担当者は、「生息地の減少など、事故の根本的な原因に対処する必要がある。イリエワニにはもう潜む場所がほとんど残されておらず、生息地には十分な餌もない」と指摘した。(c)AFP