【10月12日 AFP】インドのナレンドラ・モディ(Narendra Modi)首相と中国の習近平(Xi Jinping)国家主席は11日、非公式の首脳会談を行った。長年、対立関係にある両国はカシミール(Kashmir)地方をめぐって非難の応酬を繰り広げる一方で、国内における「過激化」に関しては協力する意向を固めた。インド側が同日夜に明らかにした。

 中国は今年8月、カシミールのインド側、ジャム・カシミール(Jammu and Kashmir)州を分断するよう働き掛け、インドは不快感を示していた。今回の会談は、関係修復に向けて実施された。

 中国政府が掲げる経済圏構想「一帯一路(Belt and Road)」の一部はカシミールのパキスタン側で計画されており、習氏はモディ氏との会談の2日前、パキスタンのイムラン・カーン(Imran Khan)首相と会談を行っている。

 習氏がパキスタンの「正当な権利」を支持すると主張すると、インド外務省は「インドの内政に他国が口出しすべきではない」と激しく非難した。

 英ロンドン大学キングスカレッジ(King's College London)で国際関係学を教えるハーシュ・パント(Harsh Pant)教授はAFPに対し、中国がパキスタンを支持したことで「インドに非常に悪い印象を与えた」と指摘した。

 しかし、インドのPTI通信(Press Trust of India)が報じた同国のビジェイ・ゴケール(Vijay Gokhale)外務次官の発言によれば、モディ氏と習氏は11日に行われた「非常に率直で友好的な」2時間半の夕食会で共通の課題を見いだし、「共に大国であり、懸案事項である過激化や、テロ行為によって互いの国の多文化、多民族、多宗教社会が悪影響を被ることがないよう協力していくことを約束した」という。(c)AFP