【10月11日 AFP】2019年のノーベル物理学賞(Nobel Prize in Physics)が、スイス人天文学者のミシェル・マイヨール(Michel Mayor)氏とディディエ・ケロー(Didier Queloz)氏に贈られることが決まった。両氏は、地球がある太陽系の外側のはるか遠方にある恒星を周回する惑星、いわゆる「系外惑星」が存在することを証明した。

 両氏の発見を出発点として、系外惑星が次々と発見されている。系外惑星は太陽系の惑星とは全く異なる特徴を持つものが多い。

■系外惑星とは?

 太陽系の外側にある惑星はすべて系外惑星とみなされる。

 系外惑星が存在することは長年、学術研究と人気SF映画「スター・ウォーズ(Star Wars)」などの大衆文化の両方で理論上想定されてきたが、ノーベル物理学賞の両氏が1995年に「ペガスス座51番星b(51 Pegasi b)」を発見するまでは、誰もその存在を証明できていなかった。

 ノーベル委員会物理学部門(Nobel Committee for Physics)のウルフ・ダニエルソン(Ulf Danielsson)氏は、8日の受賞者発表会で「他の惑星系が太陽系に似ているだろうと考えられていた」「だが、それは間違いだった」と述べた。

■系外惑星はいくつあるか?

 米航空宇宙局(NASA)の「系外惑星アーカイブ(Exoplanet Archive)」によると、現時点で4057個の系外惑星が確認されており、それと同数以上の有力候補が存在するという。大半は太陽系の惑星に比べてはるかに大きい。

 だが、これは惑星科学者らがこれまでに検出した惑星の数にすぎず、太陽系が位置する天の川銀河(銀河系、Milky Way)内だけでも1兆個の系外惑星が存在する可能性があると、複数の研究で推定されている。

 結局のところ、宇宙には恒星と同じくらいの数の系外惑星が存在するのかもしれない。