【10月8日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領が自身の納税記録の開示阻止を求めて起こした訴訟で、ニューヨーク州南部地区の連邦地裁は7日、現職大統領も刑事捜査からは免れられないとして、トランプ氏の訴えを退ける判断を下した。

 マンハッタン(Manhattan)地区のサイラス・バンス(Cyrus Vance)検事は、会計事務所マザーズUSA(Mazars USA)に対して召喚状を出し、2011年以降の大統領の個人・法人の納税記録を提出するよう要求。トランプ氏はこれを不服として訴訟を起こしていた。

 バンス検事は、トランプ氏と不倫関係にあったと主張するポルノ女優のストーミー・ダニエルズ(Stormy Daniels)さんに対し同氏の元顧問弁護士マイケル・コーエン(Michael Cohen)受刑者が行った支払いについて捜査を行っている。コーエン受刑者は、ダニエルズさんら女性2人に対する口止め料支払いによる選挙資金法違反や脱税などの罪を認め、禁錮3年の刑に服している。

 トランプ氏は大統領選の期間中、自身の納税記録は監査の終了後に開示すると約束していたが、その後は開示を拒否していた。今回の裁判所による決定で、トランプ氏の納税記録取得を目指した数年来の取り組みは新たな展開を迎えた。

 トランプ氏の弁護人の一人、ジェイ・セキュロー(Jay Sekulow)氏によると、トランプ氏の弁護団は直ちに第二巡回区控訴裁判所に上訴。同裁判所は連邦地裁による命令の一時的な執行停止を命じた。(c)AFP/Thomas URBAIN