■一人一人の問題に

 また、旋風を巻き起こしているのはトゥンベリさんだけではないとボウイー氏は言う。「若者たちが集結したことに意味がある…機運が高まっている」と指摘し、一つの問題だけに注目しないようにと警告した。

「今現在は気候変動が注目されている。このため、紛争や兵器の問題も存在するということが忘れ去られる恐れがある」と語り、気候変動との闘いは、その他の広範な差し迫った問題と「相互に関連し合っている」と強調した。

 地球温暖化は熱帯雨林と農地に大打撃を与え、生活手段が奪われ、移民の増加や資源対立が起こる。そうして生じた紛争で大きな影響を受けるのは、女性と子どもたちに偏っているとボウイー氏は指摘する。

■「セックスストライキ」

 ボウイー氏も、独創的な解決策を見いだしたことで知られている。ボウイー氏は2002年、セックスストライキを呼び掛けたが、この運動がリベリアで14年間続いていた内戦の終結に寄与したと言われている。

 夫たちが武器を捨てて平和のために活動し始めるまで性行為はしないと女性たちが決めたことは、暴力を食い止めるための「ごく小さな」取り組みにすぎなかったとボウイー氏は語る。

「しかし、開始した途端にメディアが取り上げ、これまでで最も効果的なメディア戦略となった…これはいうまでもなく、私たちが生きているこの世界が性的なものに過度の興味を向けているからだ」

 セックスストライキは他国でも成功を収めた。だが、ボウイー氏は、「セックス」という戦術を使わなくても、女性たちの声が聞かれるようになることを望んでいると語った。(c)AFP/Nina LARSON