【9月30日 AFP】スロベニアのカルスト(Karst)地方の地下深くに形成された肌寒く、暗く、ぬかるんだ洞窟で、宇宙飛行士6人が将来のミッションに向けて極限環境を利用した訓練を行った。

 国連教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)の世界遺産(World Heritage)にも登録されているシュコツィアン洞窟群(Skocjan Caves)で6日間の訓練を終えた6人は先週25日、地上の光に目をしばたたかせながら姿を現した。

 これで6人は欧州宇宙機関(ESA)が計画した6週間の訓練を終了したが、なぜ地下へ向かったのだろうか?

 訓練に参加した日本人宇宙飛行士の大西卓哉(Takuya Onishi)さん(43)はAFPの取材に対し、洞窟内の生活が気持ちの面で宇宙での生活と非常によく似ており、実際のところ洞窟での生活は宇宙での生活よりずっと難しいと感じたと語った。

 湿度は100%に近く、光はヘッドランプしかないことに加え、6~10度の間を上下する洞窟内の気温も考慮すれば、大西氏の厳しい口調も驚くことではない。

 洞窟内の訓練は今回で6度目だが、スロベニアで行われたのはこれが初めて。訓練には大西氏のほか、ドイツ、米国、カナダ、ロシアの宇宙飛行士が参加した。(c)AFP/Bojan KAVCIC