【8月25日 AFP】米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)は25日、米航空宇宙局(NASA)の女性宇宙飛行士が国際宇宙ステーション(ISS)滞在中に、関係が悪化していた同性婚パートナーの銀行口座に不正アクセスしたとの訴えについて調べていると報じた。宇宙空間で起きた史上初の犯罪の可能性もあるという。

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 同紙によると、アン・マクレーン(Anne McClain)飛行士は、6か月間の国際宇宙ステーション(ISS)滞在中に、離婚訴訟中の同性パートナー、サマー・ワーデン(Summer Worden)さんの銀行口座に無断でアクセスしたという。

 ワーデンさんは、今年に入って連邦取引委員会(FTC)に、マクレーン氏から個人情報窃盗と不正アクセスの被害を受けたと訴え出た。これとは別にワーデンさんの家族も、NASAの監察総監室(OIG)にマクレーン氏に対する苦情を申し立てた。

 マクレーン氏側の弁護士は、二人の共有財産をチェックするため以前からワーデンさんの口座にアクセスしていたもので、全く不正なことではないとしている。

 ニューヨーク・タイムズ紙は、NASAの監察官がマクレーン飛行士とワーデンさんの双方から事情を聴いていると伝えた。同紙によるとワーデンさんは、FTCからの返答はないがNASA監察総監室の犯罪専門捜査官が調査していると語ったという。

 今年6月に地球に帰還したマクレーン氏は、ISS滞在中の今年3月、もう一人の女性宇宙飛行士と史上初の女性だけの船外活動を行う予定だったが、マクレーン氏に合うサイズの宇宙服が足りなかったため実現しなかった。このことが女性差別ではないかと物議を醸し、注目を集めていた。(c)AFP