【9月29日 東方新報】北京市の中心から50キロに位置する「北京大興国際空港(Beijing Daxing International Airport)が25日、開業した。中国政府は、同空港を重要な交通のハブとして、国家の発展と「一帯一路(Belt and Road)」構想を後押しする原動力として位置づけている。

【関連写真】北京大興国際空港ターミナル内部の様子

 近年、中国では大型のインフラ施設が次々と生まれており、建設の速さだけでなく、技術水準も顕著な向上が見られる。北京大興国際空港は、新たな中国の「顔」として、イノベーション(技術革新)や生態環境保護、改革開放などの理念と努力を表している。同空港の建設の中で、103種の新特許と新技術、65種の新工法が採用され、国産化率は98%以上に達している。13項目の建設指標は全てが世界一流だ。ターミナルビルのエネルギー消費は世界の同規模の空港に比べて20%抑制され、二酸化炭素の排出量を年間2万2000トン減らすことができるとしている。

 開業は、単に北京に新しい空港が一つ増えたという単純な話ではなく、巨大な経済効果が生まれていることを見逃してはならない。

 空港の民間航空関連だけで、1167億元(約1兆7700億円)の投資が行われ、周辺の交通関連への投資は3000億元(約4兆5400億円)に達している。半径1時間以内の居住人口は7000万人、高速鉄道で2時間以内のエリアには1億3400万人、半径3時間以内の範囲には2億人を超える人が生活している。

 北京大興国際空港は、北京首都国際空港(Beijing Capital International Airport)と共に世界で初めての2つの国際ハブを持つ都市をつくり上げる。2空港合わせた旅客数は2億5000万人を超え、人の流れとともに、モノ・カネ・情報などの生産的要素が高密度で集まっていく。150平方キロにわたる臨空経済エリアを活性化し、北京・天津(Tianjin)・河北省(Hebei)に至る協調発展に新たな動力を提供することだろう。

 同空港は、世界レベルの交通ハブとして「一帯一路」における「空中の道」の一つの起点へと発展していく。国際定期路線が増えるにつれ、東北アジア、中東や欧州への輸送力は強化され、「一帯一路」周辺国家との往来は一層密になり、資源の共同利用が進み、共同発展が一層促されることが期待される。(c)東方新報/AFPBB News