【9月27日 AFP】開催中のラグビーW杯日本大会(Rugby World Cup 2019)では、選手たちが試合後に観客席に向かって深くお辞儀をしたり、浴衣姿でチームバスから降りてきたりするなど、すっかり「メード・イン・ジャパン」に染まって大会を楽しんでいる様子がうかがえる。

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 今大会では友好の印として、ニュージーランドをはじめイングランドやウェールズが、試合後にサポーターに向かって深くお辞儀をする日本式のあいさつを行っている。オールブラックス(All Blacks、ニュージーランド代表の愛称)の選手は、「日本の皆さんに対するリスペクトと、サポートへのお礼の意味」でやっていると語った。

 一方、イングランドのルーリー・マコノキー(Ruaridh McConnochie)は、お辞儀に加えて日本のサッカー選手を見習って試合後にロッカールームをきれいにしているといい、「日本のチームがロッカールームをきれいに掃除しているのを知っている。僕らもそれを手本にしていくつもりだ」と明かした。

 日本のファンはウェールズの公開練習に1万5000人が詰め掛けたほか、台風の影響で恐ろしい悪天候に見舞われたイタリア対ナミビア戦でもスタジアムを満杯にした。さらに日本側からも他国の文化に敬意を表し、参加国のレプリカジャージーを着たり、国歌を大合唱したりしている。

 中でもオールブラックスが来日した際に、日本の子どもたちがニュージーランドの先住民マオリ(Maori)の民族舞踊「ハカ(Haka)」で選手たちを歓迎する映像は、瞬く間に大評判となった。

 南アフリカを率いるラシー・エラスムス(Rassie Erasmus)ヘッドコーチ(HC)は、「このような光景は他で見たことがない。開催国の方たちが参加国のジャージーを着たり、スプリングボクス(Springboks、南アフリカ代表の愛称)のバッジをつけたりするなんて」と驚いていた。

 サモアの主将クリス・ヴイ(Chris Vui)も、「選手たちは日本が大好きになっている。愛らしいファンと日本の人たちは、本当に素晴らしいよ」と語った。

■プラスチック製の日本刀

 別の形で日本文化を楽しんでいるチームもいる。カナダの選手が浴衣とハチマキ姿でチームバスから降りてきた動画は、ソーシャルメディア上で大きな話題を呼んだ。

 また、日本代表のリーチマイケル(Michael Leitch)主将は、日本の礼儀の延長として、初戦で戦ったロシアの選手にプラスチック製の日本刀をプレゼントした。

 日本文化の雰囲気は試合会場でも味わうことができる。選手入場時には和太鼓や拍子木が鳴らされ、キックオフでは歌舞伎や能のかけ声が使用されたり、ハーフタイムや試合終了時にも銅鑼(どら)の大きな音が鳴らされたりしている。

 アイルランド出身でイタリアを率いるコナー・オシェイ(Conor O'Shea)HCは、日本人から母国にいるようなもてなしを受けているといい、「スターバックス(Starbucks)にいるときでさえ、店員がイタリア語で話しかけてくる」と語った。(c)AFP/Richard CARTER