【9月25日 AFP】オーストラリアで、長引く干ばつによって餌が減り、痩せ衰えて餓死したコウモリが大量に見つかっている。保護団体が24日、AFPに明らかにした。

 コウモリの保護に取り組んでいる非営利団体(NPO)「バッツ・クイーンズランド(Bats QLD)」によると、豪東部クイーンズランド(Queensland)、ニューサウスウェールズ(New South Wales)両州ではこの2週間、衰弱したオオコウモリの数が「急激に増えている」という。

 同NPOのボランティア、アシュリー・フライザー(Ashley Fraser)氏は、絵のような美しさで人気の観光地ゴールドコースト(Gold Coast)にはコウモリの死骸が大量に散乱している場所もあると語った。

 この地域でコウモリの大量餓死は過去にもあったが、フライザー氏によると、バッツ・クイーンズランドが対応した中でこれほど規模が大きいのは初めてだという。

 フライザー氏は「気候変動によって干ばつが悪化し、コウモリにとって非常に劣悪な環境になってきている」と指摘し、「状況は今後も悪化していくと考えられる」と述べた。

 オオコウモリの一部の種は絶滅危惧種に指定されている。またオオコウモリは、コアラの主食であるユーカリの重要な花粉媒介者でもある。(c)AFP