【9月25日 AFP】「世界三大テノール」の一人に数えられるオペラ歌手プラシド・ドミンゴ(Placido Domingo)氏(78)と米ニューヨークのメトロポリタン歌劇場(Metropolitan Opera)は24日、ドミンゴ氏が同歌劇場のすべての演目から降板すると発表した。同氏は複数の女性からセクシュアルハラスメント(性的嫌がらせ)の被害を訴えられていた。

 ドミンゴ氏は25日にメトロポリタン歌劇場で「マクベス(Macbeth)」の初演に主演する予定だったが、直前の降板となった。

 ドミンゴ氏に対しては現在20人の女性がセクハラを訴えているが、同氏は「私に掛けられた疑いに強く異を唱えるとともに、法の手続きもなく非難される風潮を憂慮している」と反論。

 しかし、「私の出演が共演者の努力を損ねてしまいかねず、降板を申し出た」という。

 今年8月、AP通信(Associated Press)の取材に応じた歌手8人とダンサー1人が1980年代以降ドミンゴ氏からセクハラを受けていたと告白。中には同氏からスカートの中に手を入れられたり、無理やりキスされたりしたと語る女性もいた。

 AP通信はその後、さらに女性11人がドミンゴ氏のセクハラ被害を告発し、うち一人は同氏に胸を触られたと訴えていると報じた。

 メトロポリタン歌劇場は2018年、同歌劇場の音楽監督を務めた著名指揮者ジェームズ・レバイン(James Levine)氏が男性8人から性的虐待被害を訴えられたことを受け、同氏を解雇している。(c)AFP/Maggy DONALDSON