【9月19日 AFP】ロシアの警察当局は19日、「悪魔」であるウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領を追い払うため、首都モスクワへ向かって、支持者を集めながら歩いていたシャーマン(霊媒師)を名乗る男を拘束したと明らかにした。

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 東シベリア(Siberia)地方に位置するブリャート(Buryatia)共和国の警察はインタファクス(Interfax)通信に対し、バイカル湖(Lake Baikal)近くの幹線道路で、アレクサンドル・ガビシェフ(Alexander Gabyshev)という名前のシャーマンを拘束したと話した。飛行機で地元へ移送される予定だが、そこでも「罪を犯したためにお尋ね者となっている」という。

 ガビシェフ氏は今年3月、同国東部に位置する地元ヤクーツク(Yakutsk)から首都モスクワを目指して歩き始めた。この風変わりな試みの道中では、信者の一団が加わっていた。

 ガビシェフ氏のプーチン大統領に関する発言は世間の注目を集め、当局の迅速な対応を招いた他、親政府派のテレビでは複数のゴシップが報じられた。

 ガビシェフ氏は今年7月、同国のテレビ局テレビ・レイン(TV Rain)に対し、「神様は彼(プーチン氏)が悪魔だと語った」「自然は彼のことが好きではない。彼がいるところには異変やテロ行為が存在する」と語った。

 また同月、シベリアの都市チタ(Chita)での集会では、革命家エルネスト・チェ・ゲバラ(Ernesto Che Guevara)のTシャツを着用し、同氏を取り囲む支持者らに対して、「彼が消えれば、1000年にわたる平穏と繁栄が訪れる」と話していた。

 さらに8月には、ブリャート共和国の首都ウランウデ(Ulan-Ude)に到着した際、市内に足を踏み入れないよう命じていたライバルの「愛国的な」シャーマン集団に呼び止められて衝突が起き、ガビシェフ氏と行動を共にしていた複数の人が拘束された。(c)AFP/Maria ANTONOVA